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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.93 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

都市景観を語る言葉 (24)極み

アーキネット代表・横浜国立大学IAS客員教授 織山 和久

奥深い世界

キセログラフィカ。中南米原産のエアプランツの仲間。美しい銀白色でカールした葉が特徴で、緑色の苞にピンクの花を咲かせる。直径60cm以上に育ち、チランジアの王者と呼ばれる品種。写真提供は園芸ネット

奥深く突き詰めている専門家は、少数にしてもアマチュア・プロを問わずいろいろな分野で活躍されている。珍奇植物、6-70年代イギリスポップス、手造りの包丁、現代音楽、同人誌、ヴィンテージカー、作用素環論、クラシックカメラ、量子コンピュータ、囲碁など、多種多様である。数十年もの研鑽を踏まえ、新たな分野を開拓し、既存の分野でも新たな発見や解釈が重ねられる。膨大な知の体系である。

このような奥深い探究活動が、都市文化をつくり上げてきた。江戸時代であれば、松尾芭蕉らが連なる俳諧、関孝和らで知られる和算、茶の湯、浄瑠璃・小唄・長唄、生け花、貸本などが流行った。変化アサガオや琉金などの品種改良と鑑賞も盛んであった。このようにして緩やかな人的ネットワークが全国的に発達したこうした人的ネットワークは、身分の違いを超え、美意識や礼節、教養が尊重されて、その後の明治・大正デモクラシーといった市民社会の基礎となったと言われる。ヨーロッパでは、カフェやパブが公論の場として市民社会の基礎となったとされるように。江戸時代の文化は、いまでは文化財保護、博物館所蔵といった感じなのだが、奥深い世界と人的ネットワークは、社会をもつくり上げる力があったわけだ。

集積場所

こうした人々が集まるためには、江戸時代のお座敷のような場所が必要である。

専門家の間では、手持ちの情報やモノなどを相手と交換したり、お披露目したりして、より自分たちの世界を豊かにしていく機会がある。サボテン・多肉植物では、季節ごとに五反田TOCビルでBIG BAZAARが開催される。LPレコード店は高円寺パル商店街、手造りの包丁は築地場外市場に、常設店舗が構えられている。リゲティのコンサートには東京オペラシティに千数百人、同人誌では年二回東京ビッグサイトのコミケに約20万人、が集まる。往年の名車は、神宮外苑と銀座の間をパレード走行する。作用素環論は日本の研究者は約40、内外の研究機関でセミナーを開催して、共同研究も進められて研究成果を報告し合う。こうした交流は、仮想空間だけでは成立しない。

東京の夜。光は、夜間に人間が活動している場所を示し、路線沿いに住宅地がずっと先まで続く様子が伺える。写真提供はNASA

そしてこのような専門家・好事家が集まるイベント、マーケット、お店などは、都市ならではの光景である。試算してみよう。専門家が人口10万人に3人ほど(知識が正規分布するなら偏差値90以上に相当する)だとする。全国でも一学年で30人ぐらいのごく限られた世界である。それでも東京圏人口3,700万人を対象とすると、約1,100人いる計算になる。一人当たり月5千円を使うとすると、年間売上は6,600万円となるのでニッチなお店やマーケットとして成立しそうだ。専門家が人口10万人に135人ほど(偏差値80以上相当)、全国でも一学年1,350人ぐらいで、東京圏全体では約5万人いる。そうなると年間の市場規模は約30億円、輸入バターの市場規模が67億円だと考えると、結構なボリュームである。

このような専門家の多くは、もともと東京圏に暮らしている。東京に暮らしていると、ユニークでもあまり目立たなくていい。他の地域にいる専門家も、東京方面であればアクセスしやすい。常設店舗ではなくて臨時のイベントでも、その規模にふさわしい会場をいろいろ手配できる。専門家ではないが関心の高い人々も集まりやすい。冒頭でふれたように、専門家寄りのイベントやマーケットなどが東京に集中するのも道理である。

極み

都市の魅力の一つは、こうした奥深い世界のイベントやマーケットが発達していることにあるだろう。お互いを「オタク」と呼び合っていたように、この世界ではお互いを等しく尊重し合うマナーとコミュニケーションが備わり、健全な市民社会の基盤をつくっていく。こうした集まりがある街の様子を見かけたら、「都市の極みだね」と呟いてみよう。

それにしても、こうした奥深い世界の人々の集まる場所が、近年、どうもないがしろにされている気がしてならない。TOCビルは建て替え計画が持ち出され、渋谷公会堂は耐震性に問題ないのに建替えで再開は2018年以降、バレエの殿堂だった五反田ゆうぽうとは閉館で計画未定、厚生年金会館、青山劇場や津田ホールは閉館といった具合だ。また築地市場の場内は豊洲に移転するが、アクセスは新交通ゆりかもめしかない。東京ビッグサイトは街外れで駅から茫漠として雰囲気のところを徒歩12分、コミケの期間はお盆前と年末である。一方で区の社会教育館等を見ると実質的に高齢者優先で、琴・詩吟・健康体操などの講座やサークルが、大方のスペースを埋めている。

都市文化の極みなのだから、自治体なども街づくりの軸として集まりやすい場所を計画してみるのはどうだろうか。どこでも同じようなオフィスビル・商業施設ばかりの大規模再開発ばかりではなかろう。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「東京いい街、いい家に住もう」(NTT出版)、「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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