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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.38 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「住まいとリスク」
第3回 人生のリスク

(株)アーキネット代表 織山 和久

 住まいに関わるリスクは、地震にかぎったものではありません。ライフステージのそれぞれの時点で、住まいが人生の大きなリスク要因にもなる恐れがあります。

婚姻関係のリスク

 「学校で生徒によく言ったんですが、仲のいい夫婦でも、離婚させるような家をデザインできるんだと・・・。」とその昔、建築家の吉村順三氏は語られました。「どうせ俺は寝るだけだから」と住まい空間についてしっかり考えないと、夫婦仲や親子関係にもリスクをはらんでしまいます。
 右図のようなプランを例に考えてみましょう。
 まず、個室が廊下とバス・トイレ・ドアで分断されるために、家族がそれぞれ部屋にこもるには好都合ですが、「家族の気配が感じられる」暮らしには向きません。また、リビング・ダイニングは食卓テーブルを置けばいっぱいで、「家族が一緒に寛げる」場所はなかなか用意できません。洋室(1)が主寝室とすると外廊下に面して声も漏れるので、「夫婦でゆっくり話しができる」感じにはならないでしょう。キッチンをみると、「夫婦で家事を分担しあう」にも二人で作業する広さはありません。夫婦の間の理想的な距離感はさまざまだとは思いますが、このように住まいによってはとりうる距離感が限定されてしまいます。そして夫婦間の距離感が合わない住まいを選ぶのは、婚姻関係の上で相当なリスクとなるのではないでしょうか。

妊娠・出産のリスク

「居住環境の変移に伴う妊産婦の健康影響に関する研究」逢坂文夫 1995

 昨年2月の記事でも触れたとおりですが、住まいが及ぼす妊娠・出産リスクは尋常ではありません。妊婦への高所性ストレスのリスクは、高層居住になるほど流産・死産の割合が高くなり、6〜9階で18.8%、10階以上になると38.9%にもなります。高層マンションは地震だけでなく常に強風で揺れ、この揺れが内耳の前庭器で感知されます。ところが住戸が樹木より高い位置にあると、振れの周期が自然にはない異常値に知覚されます。そのため心身が「この高さでは命の危険に関わる!」と無意識に危機反応をとり、それが解除されないためと考えられます。まだ生まれてこない胎児ですから死亡率は別枠になるのですが、大地震のリスクをも上回るような途方もないリスクだということが分かります。
もちろん高所性ストレスは妊婦だけに課されるわけではなく、居住者にさまざまな心身の不調をもたらします。

職業選択上のリスク

 川崎市の3歳未満の待機児童数(21年4月)を調べてみました。すると、宮前区S保育園15人待ち、多摩区H保育園13人待ち、高津区T保育園11人待ち、と地区によって保育園にお子さんを預けるのも厳しいところがあります。賃貸であれば保育園に入れそうな場所に引っ越すこともできますが、持ち家だと容易ではありません。両親も遠方で、と他に手立てがない場合、ご夫婦のどちらかが子育てにまわって仕事を続けられなくなる事態になりえます。そうなるとご夫婦のキャリア形成や家計にも大きなリスクが生じます。学童保育についても、横浜市は複数校区の学童保育所で3年生まで、大田区は児童館主体で3年生まで、渋谷区は全校校内で6年生までと、自治体ごとに違いがあり、仕事と子育てを両立させるにも選択肢が限られることもあるでしょう。
 再就職するにしても、ベッドタウンになるほど同じ境遇の人が増える一方、勤め先も限られがちです。実際、東京圏の有効求人倍率(21年4月)を比べても、東京都0.73、千葉県0.47、神奈川県0.46、埼玉県0.41、と大きな差があります。したがってより遠くのベッドタウンに暮らすほど、ご主人がリストラや病気になったときに奥様が働きに出て家計を支えようにも厳しい、というように経済的なリスクが高くなります。

資産形成のリスク

 住まいの選び方次第では、有利な資産運用にもなりますし、逆に大きな含み損を抱えることにもなります。土地部分から調べてみましょう。右図は世田谷区でたまたま選んだ二地点、代沢(右図:ピンク)は閑静な住宅地、上北沢(右図:紺)は駅前の商業地で、それらの固定資産税評価額の推移を示しています。まず、突出したバブル期をまたいだ1985年-2009年の25年で比較してみましょう。1985年には代沢が443千円/m2の地価水準であるのに対し、上北沢は960千円/m2と倍以上でした。それが2009年には代沢669千円/m2、上北沢617千円/m2と逆転しています。その間、代沢の土地の価値が51%増なのに比べ、上北沢は36%減と対照的です。住まいの場所選びには、倍半分というほどの「資産価値変動リスク」があることが分かります。もちろん取得時期も大きく左右し、バブル絶頂期に取得していると、24年間に代沢で60%減、上北沢では72%減という含み損を抱えることになります。老後を迎えるにあたり、もし住み替えをするとこの資産価値変動リスクに直面します。またリバースモーゲージを活用し、住まいを担保に入れて月々の生活費相当を借り入れるにしても、資産価値が1.5倍になっているのと、逆に0.6倍になっているのでは、支えられる生活レベルも変ってきます。住まいの保有を有利な資産運用とするには、伸び盛りの街を選ぶ(拙著「東京 いい街、いい家に住もう」参照)、バブル期には手を出さない、といった点が重要になります。
 建物の寿命にも資産価値には大きな差が生じます。日本では木造住宅も鉄筋コンクリート造のオフィスも平均寿命は40年、欧米では100年以上ですから相当に短命です。新耐震基準が施工されたのは1981年ですから、それ以前の建物は強度不足なので建て替えるのはいたし方ないところです。また木造住宅では、シロアリやカビなどに侵されている例も知られています。鉄筋コンクリート造の共同住宅でも、いい加減な設計で設備配管がコンクリートに埋まるなど手入れがしにくいと、躯体よりもそこから先に寿命が来てしまいます。100戸、200戸と世帯数が増えるほど大規模修繕や建て替えの合意もとりにくく、老朽化に歯止めがかからない状態にもなりがちです。さらに物的には耐久性があっても、現代の世帯構成や生活様式には広さや間取りが合わない、ということで取り壊されるのが常です。将来の建物の資産価格を考えると、「(鉄筋コンクリートの)マンションよりも木造一戸建て」「マンションなら大規模」「家族数に応じて○LDK」という選択は、相当に下落リスクを抱え込んでしまうことが分かります。

 こうしたリスクはちょっと頭に浮かべることができれば、あとあとまで避けられるものです。
 人生のリスクを囲い込まない住まい選びとしては、要約すると
   夫婦の距離感にあったプラン
   揺れの影響が小さい低層階
   保育サービス、再就職先の充実した街
   伸び盛りの街
   鉄筋コンクリート造、集合住宅なら小戸数、多様な暮らし方を支えるプラン
 が判断基準になると思います。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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