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見逃すな! 内覧会はここをチェック プロ直伝:vol.21 


第21回)

壁の給気口を開けてみよう

さくら事務所 コンサルタント 辻 優子

今の新築住宅は、建材から放散される化学物質をなるべく排出できるように、建築基準法で「24時間換気システム」の設置が義務付けられています。常時換気扇を運転させて空気を排出するため、それに対応する量の新鮮な空気を常に外から室内に取り入れる必要があります。

そのため、「給気口」が外壁に設置されています。

(物件により、丸や四角など形状は異なります。また、機械で外気を室内に給気するシステムを採用している場合などは外壁に給気口が無いことがあります。)

給気口がお部屋の外壁に取り付けられている場合は、まずは蓋がちゃんと動いて外気を取り入れられるようにできるかどうかを確認します。開け方は、製品によって異なりますので、内覧会時にお部屋に同行される施工会社や説明をする係の方に聞いてみてください。

この際、蓋が動いて、適切に外気が室内に入ってくるようになっているのは、「基本中の基本」です。蓋が固すぎて動かない、などのときは、手直しをご依頼ください。

普通に蓋が動いて外気を取り入れられている場合でも、以下のような例については手直しが必要です。蓋が動くかどうかだけでなく、蓋を取り外して、壁に取り付けられている部材(レジスターと言います)の固定をチェックします。

これは、給気口内部のフィルターをのぞいてみようと思って、蓋につけられた「つまみ」を引っ張ったら、給気口のレジスターがすっぽりと壁から外れてしまった事例です。

給気口レジスターは外れないように壁に固定しますから、蓋を開けようとつまみや内部のフィルター固定用の部材を引っ張った場合でも、普通は簡単には壁から抜けることはありません。抜けてしまった場合は「しっかり固定してください」と施工会社に修繕をご依頼ください。

次に、こんな例。

蓋と内部のフィルターを取り外したところ、レジスターそのものはしっかり固定されていたのですが、仕上げ壁の内側にある"断熱材"が露出して見えていました。(赤い矢印部分)

コンクリートの外壁は室内側に断熱材を吹き付けてありますが、それが給気口内部で見えてしまっています。通常は、外気が通り抜けることで壁内部に冷気が入ることを防ぐために、壁の内部を覆うように「延長スリーブ」というのを取り付けます。

このように、壁の断面を覆い隠すように内部に管が施工されているのが正解。
(注:給気口の商品が写真によって丸・四角で異なるのは、撮影した物件が異なるからです)

そして、給気口に関する不具合事例の最後の例。
まずは、正しい状態の写真から。特に、問題はありません。

では、次に指摘した給気口の写真。

屋外で塗装工事を行った際に、吹き付け塗装材が外部から給気口内部にも入ってきてしまい、給気口内およびフィルター・蓋に塗装材が固着してしまっていました。

内部に塗装材が付着しているだけであれば、見栄えは良くありませんしもちろんクリーニングは依頼するものの、特に大きな生活上の支障は無いでしょう。

ただ、フィルターは機能に問題が生じます。塗装材で目が詰まってしまうと、抵抗が生じて室内に入ってくる外気の量は少なくなってしまいます。

給気口は、各室に設けられていることが多いですから、蓋の動きや内部のチェックは、全箇所で行いましょう。

辻 優子(つじ ゆうこ)
大手マンションデベロッパーにて、新築マンションの販売、現場施工管理から各種購入者向けセミナー運営など幅広く携わった後、(株)さくら事務所参画。働く主婦目線でのきめ細やかなアドバイスにも定評がある、女性コンサルタント。

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