内覧会でお部屋に入るときにまず通る場所にも関わらず、意外とチェックは忘れがちな玄関。今回は玄関ドアの開閉時のチェックポイントをお伝えします。
ドアの開閉でチェックするのは、開閉時の異音と閉まるスピードです。
開閉時の異音については、とにかくドアを開け閉めして、気になる音(たとえば「ギイ」という音など)が聞こえたら、調整をリクエストしてみてください。
なお、玄関ドアに防犯センサーがセットされているドアの場合、ドアに取り付けられた金属製の配線が動いてしまうことで軽く「キイ」と音が鳴ることもあり、調整できない音もあります。
次にチェックするのはドアが閉まるときのスピード。
これもチェック方法は簡単で、ただ、ドアを大きく開いて手を放すだけ。
マンションの玄関ドアは、火災時に火をなるべく長時間遮れるように鋼製になっているため、動かすときもやや重めの動作となります。また、避難通路でもある共用廊下に住戸内から火が出にくいよう、鋼製のドアは開けっ放しで固定はできず、手を放すと自然に閉まるように作られています。
この鋼製のドアが勢いよく閉まってしまうと、ドア枠とドアの間に手を挟んでしまうなどの恐れがあるため「ドアクローザー」というものを取り付けて、ややゆっくりとドアが閉まるようにされています。
(ドクローザーの例)
ドアが閉まるスピードには特段決まりはありませんが、「遅すぎず・速すぎず」であることをチェックします。
全開にしてから手を放し、自然に閉まるのを待って鍵を掛けるところまでを一度お試しください。
ドアが速く閉まると指を詰めてしまう危険性も高まりますし、逆に、閉まるスピードをあまり遅すぎると、枠に手を挟まれる心配は無いものの、勢いが無いことでドアがしっかりと閉まらず、ドアノブを引っ張って閉めることになることも。
ですから、閉まる途中まではやや速めで、ドアがドア枠の近くまで来たら速度が落ちてゆっくりと閉まるのが良いでしょう。
簡単なチェック方法ですが、数回行ってみてください。
当日の外部の風の状態などによっても変わるため一概には言えませんが、全開にして手を放してしっかり閉まるまでの時間は、3〜5秒くらいに収まっていることが多いと思います。
なおドアの閉まるスピードをチェックするとき窓が開いていると、ドアクローザーの調整具合にかかわらず、窓からの風が部屋中を吹き抜けてしまい、ドアの開閉時に抵抗になることがあります。
ですからチェックの際は、窓を全個所閉めてください。また、日常生活の換気環境下で点検するために、各室の外壁給気口はすべて開け、24時間換気システムを稼働させてから行ってくださいね。
辻 優子(つじ ゆうこ)
大手マンションデベロッパーにて、新築マンションの販売、現場施工管理から各種購入者向けセミナー運営など幅広く携わった後、 (株)さくら事務所参画。働く主婦目線でのきめ細やかなアドバイスにも定評がある、女性コンサルタント。
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