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快適マンションライフ〜中古マンションを買うときの管理のチェックポイント vol.1 


3.マンションの個性によって異なる長期修繕計画

購入しようとしているマンションで長期修繕計画が作成されている場合でも、その計画内容はマンションの個性によって大きく違ってきます。ひと口にマンションと言っても千差万別。同じものは2つとありません。構造や建築資材などそっくり同じで、築年数や規模なども同じとしても、例えば海岸近くでは鉄部がさびやすいとか、幹線道路沿いなら外壁が汚れやすいなど、立地条件により建物部位の劣化状態や修繕時期も違いが出てくるでしょう。
また、当然のことながら建物の形状や規模などによって、工事費などに大きな差が生まれます。例えば高層マンションでゴンドラ作業の必要なケースなど、費用は割高で工事期間も長くなります。斜面に建つひな壇マンションなども、一般的なマンションに比べて費用は割高。総戸数が多いほうが、少ないマンションに比べて1戸あたりの費用負担が割安になる等々、一般的な傾向はありますが、最終的にはそのマンションの個別性に合った長期修繕計画が求められるということです。

参考までにここでは、築年数によって長期修繕計画のどのようなところを注意してみるとよいか、チェックポイントを挙げてみましょう。

■築年数による長期修繕計画の重要ポイント

築後10年未満の、比較的新しいマンション

まだ、大規模修繕は1度も行われていません。築後12年目前後をめどに外壁塗装・屋上防水・外部廊下シート張替え等の大規模修繕工事が予定されているかがチェックポイントです。また現在の修繕積立金で2回目以降の大規模修繕工事の費用が賄えるような資金計画になっているかのチェックも必要です。

築後10年〜20年を迎えるマンション

まず、1回目の大規模修繕がきちんと行われたか、工事履歴でチェック。また2回目の大規模修繕工事の計画が定められているか、現在の積立金残高と今後の資金計画はどのようになっているかも確認しましょう。

築後20年〜30年のマンション

1・2回目の大規模修繕はきちんと行われたか、工事履歴でチェック。次回の大規模修繕では給水・排水管、エレベーター交換などこれまで行われてこなかった設備の更新工事も必要になる可能性があります。これらの項目がもり込まれているかをチェック。また当然、費用もこれまで以上に多額になることが予想されますので、資金計画をしっかりチェックしましょう。

〈修繕期間の目安(築後35年までの場合)〉

(画像をクリックすると拡大画像が開きます)

4.長期修繕計画は定期的な見直しが必要

普段の生活の中でも一度立てた予定はなかなかそのままでは進まないもの。長期修繕計画も当初に立てられた計画がそのまま遂行されるというものではありません。むしろ建物の各部位の劣化状況など定期的に調査・診断して、必要に応じて修繕時期や修繕内容など修正、見直しをしていくことが必要なのです。そこで、建物の実際の劣化情況に応じておおよそ5年ごとに長期修繕計画を見直すことが望ましいとされています。しかし、大和ライフネクストではより精緻な長期修繕計画を目指して、日常管理や日常修繕の情況も踏まえ1年ごとに、計画の見直しを行っています。
多額の工事費を考えれば、きめ細かく計画を見直し修繕時期・内容等を正確に把握することが重要なことは言うまでもないでしょう。なお、いつ見直しが行われたかは、管理組合の総会決議事項の中の長期修繕計画書(案)に記載されていますので、確認することができます。

また実際の大規模修繕工事を実施するに当たっては、予め建物の劣化情況を正しく把握することが重要です。外観の汚れやタイルの剥落など目視で確認できることはともかく、目に見えないタイルの浮きや屋上防水層の劣化状態などの診断は専門的な技術・知識が求められ、経費もかかります。しかし正確な建物調査診断によって計画されていた工事内容を精査し、見直すことが大規模修繕工事を成功に導く為に必要な手順なのです。

〈長期修繕計画書〉

大規模修繕工事を実施するに当たっては、建物の情況を調査診断することが必要です。目視はもちろん打診(写真左・中央)や接着強度検査、外壁の一部を取り出して(写真右)コンクリートの中性化の度合いを調べる薬品検査など必要に応じて行います。診断の結果を受けて、計画されている工事内容どおりに実施するのか、劣化がまだ進んでいない場合には実施時期をずらすかなど判断していきます。

5.資金計画の確認は最も重要

いかに立派な修繕計画でも、計画通りに工事を行う裏付けとなる修繕積立金の残高が不足していては絵に描いた餅に過ぎません。まず、そのマンションの修繕積立金の収支を確認すること。そして、必要な工事の実施時期に合わせて、必要な資金が積み立てられるような資金計画が作成されているかを確認します。
確認の方法として長期修繕計画書の一部である資金計画のグラフを見てましょう。築年によって必要となる累計工事金額と積立金の累計額の関係を一目で見ることができます。修繕積立金の目安として、国土交通省のマンション総合調査(平成20年度)では月額11877円(駐車場使用料等からの繰入金を含む)となっています。
もちろんこれは目安であって、マンションの個別性や築年数等によっても大きく左右されます。要は計画通りの工事を行える予算が足りているか否か。不足するようなら、計画に備えて毎月の積立金の増額が予定されているかどうか。あるいは大規模修繕時に一時金として各区分所有者から徴収するといった対応も考えられるでしょう。お金の問題は、あとになって「そういうことだったのか」と気づいても手遅れです。はじめにしっかり確認して、必要なものは必要と承知したうえで判断することが大切です。

〈「修繕積立金の額」のモデル見直し試算(駐車場使用料等からの繰入金を含む)〉

(出典:国土交通省 平成20年度マンション総合調査)

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