3.マンション評価の方法について
30年、50年という時間の経過とともに、住み手は高齢化し、マンションも老朽化していきます。また地域の活力も住環境も大きく変貌します。
マンション評価ナビは、そうした変化に柔軟に対応し、長期的に高い居住性が確保できるマンションこそ望ましい、という視点から調査の項目と評価基準の体系化を図り、調査・評価を実施しています。
調査項目について
評価基準は、以下の視点をもとに体系化し策定しています。
1、拠点性 立地の社会的な耐久性の高さ、長期的に地域力が維持・向上するか
2、住環境 長期的な住環境の維持、社会的変化に対応して良好な住環境が継続できるか
3、居住性(共用部分)長期的な適応力の高さ、長期的に商品性の高さを維持できるか
4、居住性(住戸部分)長期的な適応力の高さ、長期的に商品性の高さを維持できるか
5、維持管理 長期的に商品性の高さを維持できるか
拠点性 |
交通アクセスの便利度 |
1.都心までの乗車時間 |
2.都心へのアクセス数 |
3.駅までの徒歩時間 |
4.新線・新駅計画の状況 |
生活施設の充実度 |
5.日常の生活施設の状況 |
6.暮らしの幅を広げる生活施設の状況 |
7.自治体サービスの状況 |
8.医療施設の状況 |
街の発展性 |
9.商業施設の種類とバランス |
10.小売吸引係数 |
11.自治体の財政力指数 |
12.人口ポテンシャル |
13.人口予測 |
14.人口集中度合(人口密度) |
15.職住近接度 |
住環境 |
閑静な住環境 |
16.隣接地の状況 |
17.公園・緑地の状況 |
18.交通騒音の状況 |
19.嫌悪施設の有無 |
良好な住環境の維持 |
20.将来にわたる街並の美しさ |
21.将来にわたる住環境の維持 |
自然災害の危険度 |
22.地震の危険度 |
23.洪水の危険度 |
24.土砂災害の危険度 |
犯罪・交通事故の危険度 |
25.最寄り駅からの道路状況 |
26.街灯の状況 |
27.警察署・交番の有無 |
28.犯罪等の状況 |
29.当該地の土地利用履歴 |
居住性/共用部分 |
構造の長期使用度 |
30.性能評価(設計・建設)取得の有無 |
31.☆構造躯体の耐久性-H12以降の建物 |
32.住宅の耐震性(倒壊防止) |
33.住宅の耐震性(損傷防止) |
34.☆設備の維持管理(専用配管) |
35.☆設備の維持管理(共用配管) |
36.☆免震構造の有無 |
省エネ・環境対応 |
37.必要な断熱性能の確保 |
38.設備の省エネ対応 |
39.緑化の状況 |
バリアフリー対応 |
40.バリアフリーへの対応度 |
敷地や共用スペースのゆとり |
41.敷地のゆとり |
42.隣地との間隔 |
43.エントランスのゆとり |
街並みとの調和 |
44.外観デザイン |
45.外構・エントランス周りのデザイン |
共用施設・サービスの充実度 |
46.共用施設の種類と数 |
47.フロントサービスの状況 |
48.ゴミ置き場の位置 |
49.エレベーター設置数 |
セキュリティの充実度 |
50.管理形態 |
51.施錠の状況 |
52.監視カメラの設置数 |
53.その他防犯対策の状況 |
54.廊下の安全性 |
55.警備会社との契約状況 |
建て替えのしやすさ |
56.議決権の保有方法 |
57.建ぺい率・容積率の余裕 |
居住性/専有部分 |
日照・通風・採光の良さ |
58.スパンの広さ |
59.日照の状況 |
60.採光の状況 |
61.通風の状況 |
62.バルコニーに面したサッシの高さ |
遮音性の高さ |
63.スラブ厚 |
64.戸境壁厚 |
65.床材の遮音性(フローリング) |
66.開口部サッシの性能 |
室内空間のゆとり |
58.スパンの広さ |
62.バルコニーに面したサッシの高さ |
67.梁の室内露出状況 |
68.LD・和室・洋室の柱の状況 |
69.LDの天井高 |
間取りの良さ |
70.居室の広さ |
71.居室の形状 |
72.動線の状況 |
73.間取り変更の容易さ |
74.屋内収納の状況 |
バリアフリー対応 |
75.バリアフリー改修に応じられる |
リノベーションのしやすさ |
68.LD・和室・洋室の柱の状況 |
76.床・天井の構成 |
77.設備の更新の容易さ |
78.躯体の天井高 |
79.SIの採用状況 |
維持保全 |
管理の形態 |
80.☆維持保全計画の作成(新築のみ) |
81.事務所・店舗の混在状況 |
82.1 戸当たり管理費の額 |
50.管理形態 |
管理組合の運営状況 |
83.管理運営状況の記録の作成及び保存 |
85.事務所の比率 |
86.共用部の清掃状況 |
87.通常総会の開催頻度 |
88.管理費の支払状況 |
修繕計画・実施の状況 |
89.長期維持管理計画の作成 |
90.修繕計画の実施状況 |
91.共用部・外壁の劣化状況 |
92.修繕積立金の額(月額) |
93.修繕積立金残高の状況 |
居住者のコミュニティ |
94.居住者のコミュニティの状況 |
95.周辺住民のコミュニティの状況 |
評価基準について
評価基準は調査項目ごとに、標準的なレベルを設定し3点としました。
標準的とは現在求められる居住性のレベルと実際の不動産市場での普及状況を加味しながら、理想を追うのではなく、現実的なマンション購入のモノサシとなる基準設定を試みています。
例) |
通風 3面採光-5点 2面採光-3点 1面採光-1点 管理形態 24時間有人-5点 常駐-4点 日勤-3点 巡回-2点 無管理-1点 |
調査項目と評価基準の策定方法について
中立・公正、そして透明性の高い調査項目と評価基準の策定・運用のために、以下のアドバイザーの方々からご意見を頂戴しました。実際の評価を通して、今後更に評価基準の妥当性を検証し見直しを図っていくことにしています。
調査項目と評価基準の策定アドバイザー
・東京大学 空間情報科学研究センター 副センター長 教授
浅見泰司氏
・株式会社 バンダイ 取締役
松永真理氏
・一級建築士事務所 小崎久野アソシエイツ
小崎美紀子氏
・一級建築士・社会福祉士
佐藤義子氏
・一級建築士
蒼井 愛氏
調査・評価の実施方法について
・評価担当者が実際に現地へ行き、マンションおよび周辺地域を覆面もしくは、取材という形式で調査します。
・マンションの外観や周辺の環境写真も評価担当者が撮影します。
・調査データ、情報をもとに各調査項目について、評価基準をもとに評価点を1〜5点で採点し、採点の理由や住みての視点からみた感想を作成します。
・国が定めた長期優良住宅の認定基準をクリアしたマンションについては、「長期優良住宅」というマークを表示してご紹介します。
調査・評価担当者について
Ai Aoi |
碧井 愛 |
プロフィール |
研究所、設計事務所に勤務後、
1982年 一級建築士事務所設立。
主に住宅・集合住宅の設計・管理を手がける。
H2〜17年 専門学校のインテリアデザイン科講師
4年前から地元の住民運動に関与、街並み景観ガイドラインを作成し、この秋から始動。
|
流行に迎合せず、良し悪しの判断がつきやすい、自分なりの公平な目線で対応していきます。
建物だけではなく、街並の観点から、マンションの立地が周辺住民に与える影響にも考慮したいと思っています。 |
|
|
Misa Ishiyama
|
石山 みさ
|
プロフィール |
建築設計事務所勤務26年
|
主にインテリア、照明設計に携わってきました。そんな視点を評価に生かせればと思っています。 |
|
|
Mikiko Kozaki
|
小崎 美起子
|
一級建築士事務所 小崎久野アソシエイツ |
プロフィール |
設計事務所勤務を経て、1989年 一級建築士事務所 小崎久野アソシエイツ設立。
住宅、別荘、集合住宅等住居系を中心とした設計を手がけている。
|
駅に近く、周囲に便利な施設がそろい、緑豊で静か、エントランスはゆったり、ホテル並みのサービス、室内は広々し、収納も設備も充実、そして価格も安い。全ての条件を備えて夢のようなマンションはないでしょう。
色々な要素の中で、自分にとって何が重要で何が妥協できる点なのか、優先順位を付けて整理することが大切だと思います。
個々のマンションで、それぞれの要素がどのレベルにあるのかをクリアにし、自分にあった十人十色のマンション選びができるよう、その一助になれば、と思います。 |
|
|
Yuko Sagara |
讃良 裕子
|
プロフィール |
曽原菊池建築事務所、畠山博茂建築設計事務所を経て
1998年よりフリーにて活動中。
|
12年前に新築マンションを購入し、昨年大規模修繕の修繕委員を経験しました。
そのような経験から、どのようなマンションが何年経っても評価できるのか?を課題に評価していきたいと思います。 |
|
|
Yoshiko Sato
|
佐藤 義子
|
プロフィール |
一級建築士・社会福祉士
建築系大学で建築環境工学専攻、福祉系大学で医療福祉マネージメント専攻。
1982年 一級建築士事務所開設
|
建築・福祉の分野から在宅生活支援の住環境整備活動に携わっています。購入者の目線での物件情報が届けられればと思います。 |
|
|
An Satomura
|
里村 杏
|
プロフィール |
一級建築士
大手ゼネコン設計部勤務後
家庭に入り子育てに追われる日々をおくる。
最近、徐々に社会復帰をしているところ。
|
マンションの特徴をいろいろな面から調べ、分かりやすく皆様にお伝えしたいと思っています。また、私のマンション暮らしでの経験も評価に生かしていきたいです。 |
|
|
Hiroko Ninomiya |
二宮 裕子 |
プロフィール |
日本女子大学住居学科卒業
建設会社・設計事務所勤務、その後結婚・出産のため退社、現在は、親の介護のため、日本女子大学住居学科非常勤講師助手及び主人の設計事務所を時々手伝っています。
|
現在は、主人の両親と子供3人の計7人家族と犬1匹で関東大震災にも倒れなかった大正初期の築100年弱の家に住んでいます。
主婦歴25年、介護歴5年、設計の経験に基づき、家事や子供の教育的環境・バリアフリー及びペット飼育の面からもアドバイスできれば…と思っています。 |
|
|
Haruka Noguchi |
野口 遥
|
プロフィール |
建築設計事務所勤務後現在は、フリー。
住宅設計専門
|
26年間の設計事務所勤務時代は注文戸建て住宅の新築やリフォームをはじめ、オーナーズマンションの設計、老人ホーム、ニュータウンの分譲住宅など多くの住まいの設計に携わりました。現在はフリーとして住居のルーツを研究しながら、新たな目線で、住まい方を提案していきたいと思っています。 |
|
|
Akiko Miyashita
|
宮下 明子
|
プロフィール |
2002年 東海大学工学部建築学科卒業
2002年〜(株)佐川旭建築研究所勤務。
一戸建て、集合住宅、小学校などの設計を担当する。
2007年4月より独立。フリーとして活動。
|
賃貸で家賃を払い続けるよりは、同程度の月々ローン返済でマンションを購入できないかと、実は私も探していました。
シングル・ディンクス用のマンションは快適性はもちろんのこと、手狭になった時に、賃貸としていくらで貸せるのか、売った場合の資産価値などが気になりますが、その判断って難しいですよね。
仕事で得た知識と合わせて一消費者として見た目線からの調査を、ぜひみなさまにも役立てていただきたいです。 |
|
|
Nobuko Miyawaki
|
宮脇 信子
|
プロフィール |
設計事務所25年勤務 現在はフリー
|
主に住宅を設計してきました。 安心して住める、ここちよい住まいを見極めていきたいと思います。 |
|
|
Sachiko Motegi
|
茂木 幸子
|
プロフィール |
設計事務所勤務後
2004年 現在の事務所を共同設立
|
以前は古い建物の改修・和風建築の設計に携わっていましたが、主に共同住宅の設計をしているので、作り手側からの視点もプラスして、評価できるのではないかと思います。
「生活」のできる住まいという観点を重視したいと考えています。 |
|
|
Miki Yamada
|
山田 美樹
|
プロフィール |
大手ゼネコン設計部勤務後、インテリアの通信教育の講師を経て
建設設計事務所勤務、現在はフリー
|
40m2のマンションにはじまり、海外の100m2のマンションに住んだ経験をいかし、住まい手の目線でマンションを評価させて頂きます。 |
|
|
|