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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.97 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

都市景観を語る言葉 (28)応用トレーニング

アーキネット代表・横浜国立大学IAS客員教授 織山 和久

これまで27回にわたり、都市景観を語る言葉を連ねてきた。最後に、応用トレーニングとして、これから事業化される街づくりについて言葉を当てはめてみよう。

題材

題材は、東京オリンピックにちなんだ選手村整備とした。面積13万屐陛豕ドーム約3個分)、14〜17階建ての住宅棟22棟、50階建ての超高層住宅棟2棟、4階建ての商業棟1棟、総戸数約6,000戸という規模である。下図は、事業協力者から提出されたイメージ図であるが、これを見て都市景観を語ってみよう。

晴海ふ頭公園から晴海中心軸をのぞむ               5-5街区超高層棟からレインボーブリッジ方面をのぞむ

応用例

まず中央部にそびえたつタワー2棟が、恥ずかしい。晴海ふ頭からの眺め(左下)があるが、この左右対称で真ん中が高い構図は、満州国国務院、朝鮮総督府や台湾総督府などにも取り入られる「どうだ、えっへん」という権力的なものだ。ナショナリズムは五輪精神には反するものだが、大会後にはこうした国家権力を思わせる構図ができるというのは、やっぱり恥ずかしい。どや顔で、とても謙虚さとは相いれない。
道幅もありすぎで、とても人の道を外れている。周回の自動車レースでも開催するつもりだろうか。周りに公園を配してはいるが、住棟のある街区とはこの広い道路で分断されていて気軽に行き来する雰囲気にはならないだろう。沿道には高さ40m以上の建物が見あがるように並んでいて、ちっぽけに見える街路樹ではとても覆い隠せるものではない。歩行者には威圧感を与える。建物の間口が大きいので、歩いていても景色がさほど変わらない。
高層の住棟の間のあちこちには、緑豊かな広場空間をつくるようだが、これでは市民が集う広場にはならない。商業棟は別の街区にあるし、この広場はだだっ広くて、周りの街とつながる小径もない。これでは和みにくいし、賑わいが起きにくい。三々五々、人が集まって立ち話するようなみんなの広場になるものだろうか。
樹木の配置も、人間の勝手が優先していて、とても根付く感じがしない。街路樹の高木たちは、暴風ともいうビル風にあおられるし、さらに塩水、潮風に晒される。これでは緑のアウシュビッツだ。高木、亜高木、低木、草本、林床と、立地環境に応じた自然の生態系を長期的に培うものとして計画できないものだろうか。どうも計画では、緑を刺身のツマぐらいにしか思っていないようだ。緑を粗末にする計画は、人も粗末にする。
この計画を物語として捉えると、とても薄っぺらい。イメージ図にあるように、語り手はいつも高いところから大づかみで見るだけで、多様な人びとの等身大の視点を欠いている。どうでもいいのだろう。例えば子供の視点で検討しよう。子供は高層マンションの中、どれも同じような住戸の一戸から出て、エレベーターを長いこと待ってようやく表の広い道に出る。変わり映えのしない大きな建物の前を延々と歩いて、街区の外の学校に通う。道草したり、友達とぶらぶら歩きまわるという場所もなくて、商業棟のゲームセンターで過ごすぐらい。街の人々との触れ合いも期待できない。極みの場所はどこにあるのだろうか。子供の世界としては、無機質で無表情に過ぎる。大人にとっても、雑踏や界隈がなくてつまらないのではなかろうか。
団地の荒廃が都市問題となったように、この街の将来の荒廃も懸念される。大粒の高層建物をいっときの計画でドカンドカンと並べて固定されている。本来は、街の成長とともに、建物や中身が入れ替わったり、新しく付け加えられたり、そして他から新しく人が入ってきたり、というサクセスフル・エイジングができるようなぜんざいシティが望ましいのだが、選手村開発計画ではそうした余地がなくておっさん雑誌のようにただ劣化していく。大規模マンションになるほど所有者全体の合意がまず得られないので将来の大規模修繕や建て替えも難しく、地震で使用不能になる、老朽する、とそのまま解体もできずスラムタワーになってしまう。
このようにいまのこの事業計画では、たぶんネコシティのようにネコが暮らせるものではない。人間のための都市になるとは思われない。

 こんな風に、都市景観を語る言葉を使っていくと、街のあり方や問題がくっきりと浮かび上がるし、議論の出発点にもなる。それにしても、この選手村の計画はあんまりだな。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「東京いい街、いい家に住もう」(NTT出版)、「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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