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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.85 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

都市景観を語る言葉 (16)都市のつくられ方

(株)アーキネット代表 織山 和久

 街の魅力は、ひとつひとつの建物や植栽などにも見出されるが、この大もとになる都市のつくられ方にずいぶん決定されていると思う。
 例えば、西新宿では、幅のある道路で格子状に区切って大きな区画にめいめいに高層ビルがつくられた。歩いていくと道沿いにお店が連なっているわけでもないのでつまらないし建物から建物の間がありすぎて疲れてしまう。ビジネスばっかりで他の新宿のような文化や娯楽などの潤いがない。一方、浅草は浅草寺を囲んで数々の老舗が並ぶ、自然発生的な街である。そして創業大正3年業務用から日用まで刷毛のことなら何でも、創業明治35年日持ちの短い芋ようかん、といった他にはない専門店群が地元の人々から観光客まで楽しませる。
 この違いは、都市機能が違うから当たり前、というわけではない。大学という同じ役割を持つ空間なのに、都市のつくられ方でずいぶん趣きが違う。

どや顔

東京大学本郷キャンパスの案内図
正門から安田講堂、これが中心軸となる。中心から周辺へ各学部が序列される。全体は格子状に区切られ、大きさのほぼ揃った建物が整列して配置される。

 まずは東京大学本郷キャンパス。こちらは西新宿的である。
中心にひときわ高い安田講堂が配置され、それを軸にして格子状に道が通る。格子で区切られた区画は大きめで、厳かな煉瓦調で覆われた大きな四角い建物が整然と並ぶ。正面は法学部、その外側に工学部、理学部、教育学部、さらにその外に医学部、農学部、経済学部いった士農工商の順序付けも明確だ。権威や権力といった感じがじわじわと来る。
 都市のつくられ方としては、たぶん計画当局の少数スタッフで全体図と中心軸の建物群を「どや!」と整え、そのときの配置計画等にずっと従って個々の建物がつくられた感じだ。そんな都市のつくられ方を「どや顔だね」と言うことにしよう。

本郷キャンパス 安田講堂を奥に、煉瓦調の重厚で威厳のある建物が、銀杏並木に秩序だって並ぶ。

お互い様

横浜国立大学キャンパスの案内図
森が占める非整形の敷地に、地形に沿った湾曲した道が通る。建物の大きさはまちまち、配置も地形に沿ってそれぞれに並ぶ。

 で これと対照的なのが横浜国立大学である。小高い丘のキャンパスは緑に覆われている。あの宮脇昭先生によって経年変化によって自然林に近づくように計画されたものだ。
 この豊かな緑の中を等高線に沿うように湾曲した道がのんびり通っている。どこが中心とも言えない、そして順位づけもないように面的に構成されている。各々の建物は、周囲の建物とつり合いがとれるように大きさや間隔を工夫し、地形に応じて建てられる。ちょうといい場所にパワープラントの建物があったので、これを改修してスタジオにした、と都度都度の状況に応じた建て方である。白っぽくてさりげない感じの建物群は、主役は人々で建物はわき役だからね、という雰囲気である。市民社会ってこういうものだな、とふと感じる。

キャンパス風景
樹木と広場を大事にして建物が配置される。大らかな空気が流れる。

 都市のつくられ方としては、「どや」というのではなくて、「お互い様」という考え方がある。最初に大計画ありき、ではなくて個々の建物の計画のときに、自然林による環境とつり合うように、地形や周りの建物と調和するように、といった緩くて身近なルールを大事にすることでつくり上げられる。森林と寄り添うように、地形をいじるのはご法度、隣の建物とはお互い様、といったルールである。このお互い様のルールは、数学的帰納法(1°ある自然数に関する命題がn=1で成り立つ。 2°この命題がn=kのとき成り立つと仮定すると、n=k+1でも成り立つ。このとき、全ての自然数でこの命題が成り立つ、という証明方法)をふと思い出す。お互い様で建てていくうちに、都市として緩い統一感も生まれるという方式なのだろう。
 こんな都市のつくられ方をみたら「お互い様」の都市と呼んでみよう。

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 西新宿、臨海副都心、品川再開発など、都市計画というと「どや!」というやり方しかないように考えられがちだ。こうした都市のフォーマットの上では、なかなか人間本位の街は出来ない気がする。計画段階では、居心地の良い空間感覚、暮らし方の工夫、生活の楽しみといった膨大な私的情報が開発ニーズとしてくみ取りにくく、短期間でざっくり計画してしまうからなのだろう。
 でも都市のつくられ方は「どや!」というものだけではない。横浜国大キャンパスをうろうろすると、「お互い様」という考え方で時を重ねて都度都度工夫することで、人間本位の街ができるという可能性が感じられる。「どや」と「お互い様」、21世紀の都市はどちらでつくられるべきだろうか?

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「東京いい街、いい家に住もう」(NTT出版)、「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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