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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.37 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「住まいとリスク」
第2回 震災の物的リスク

(株)アーキネット代表 織山 和久

人命の次に

 前回は、震災の人的リスクについて検討しました。今回は引き続き、震災による物的リスクとそれらの回避策を考えてみましょう。大地震でお住まいの建物が損壊や焼損すれば、個人にとっては最大級の資産の価値を損なうだけに重大です。こうした物的リスクについて、前回と同じく大地震が、30年間に70%の割合で発生するとして、その確率や被害想定などを検討してみましょう。

(1)建物損壊

 地震による建物の損傷は、前述のように構造と適用建築基準に左右されます。震度6.4の地震が発生したときの全半壊率を求めると、木造(1960-1980)90%、木造(1981-)36%、非木造(1960-1980)34%、非木造(1981-)12%とされています。再建のための工事費は、木造であれば、延床面積30坪で坪単価60万円として2,000万円。また非木造でも、耐震偽装事件でヒューザーのマンションを建替えたときに、一戸当たりの工事費建物の工事費は2,000万円でしたので、この金額で試算してみます。そうすると1年当たりに換算して、木造(1960-1980)2.1%、42.0万円。木造(1981-)0.84%、16.8万円。非木造(1960-1980)0.79%、15.9万円。非木造(1981-)0.28%、5.6万円という確率と予想損失のリスクになります。
 ここで気をつけなければいけないのは、マンションの戸数規模です。建物が損壊したときに建替えや大規模補修には、事実上は所有者全員の合意と費用支払いが必要なのですが、規模が大きくなるほど反対者が出る確率が高くなります。通説では50人に1人は何でも反対という人がいるそうなので、マンションの規模が300戸であれば全員合意がとれる確率は、(49/50)300≒0.2%とほぼゼロです。そうなるとせっかくのマンションも使用不可で解体も建替えもできないので、損失額は土地代を含むマンション価格、例えば5,000万円にもなります。したがって大規模マンションの場合は、築年1960-1980で0.79%、39.7万円。築年1981-では0.28%、14.0万円、と跳ね上がります。
 また地盤によるゆれ方の違いも無視出来ません。山の手の堅い地盤では震度5強でも、河川・海の沿岸部の緩い地盤では震度6強と揺れが増幅されるといわれます。

(2)液状化

 今回の東日本大地震では、浦安市や江戸川区など震度5強でしだが臨海部で広範囲に液状化現象が発生しました。首都直下型地震の被害想定でも、リスクAランクの地区では面積の18%、Bで5%、Cで2%が液状化すると推計されています(東京都「首都直下地震による東京の被害想定報告書」平成18年)。右図は、Aランクを赤色、Bランクを黄土色で地図上に示したものですが、東京では東部・臨海部が高リスクであることは一目瞭然です(東京都「地震に関する地域危険度測定調査 第6回」平成20年)。液状化現象によって、支持杭のない建物(木造)では建物被害はおおよそ20%に及ぶとされます。ここで建物の傾きを直すのに500万円、地盤改良に500万円かかるとすれば、このAランクでの木造住宅の想定リスクは年当りにして、0.084%、8,400円になります。なお支持杭がある建物では建物被害は0%とされています。なお液状化の起こる地域では土地の評価は低くなりますが、その影響は今後の不動産売買では価格に折り込み済みとされるでしょう。

(3)火災

 前回ふれたように、地震に伴う火災によって焼失する棟数は、最高リスク地区で450棟/km、次が200棟/kmにも及びます。都区部の建物密度は平均で26.8棟/ha、木造密集地域では40棟/haほどですから、こうした木造密集地域で火災に巻き込まれて焼失する棟割合は、最高リスク地区では全体の11%、次リスク地区で5%という割合になります。大地震が30年間に70%の割合で発生し、主に木造戸建てになりますが、建物再建に2,000万円かかるとすると、最高リスク地区で1年当たり0.26%、5.2万円、次リスク地区で0.12%、2.3万円という試算結果になります。ちなみに通常の火災では、木造は総戸数2,924万戸に出火件数12,095件、延焼件数3,478件、1件あたり損害額は3,746千円(平成21年 消防白書)ですから、1年あたり0.053%、1,995円ですから、地震火災の焼失リスクが桁違いであることが良く分かります。

住まいの物的震災リスクに備える

 こうした建物に関わるリスク要因を予想損失額(=発生確率×1件当り平均損失額)の順に並べてみました。そうすると右表のように損壊リスクが上位を占めていることが良く分かります。したがって、リスク回避であれば住み替えや耐震補強、リスクカバーには地震保険、大作の優先順位は、はっきりします。

(1)住み替え

 木造よりもRC造(鉄筋コンクリート造)、それも築年数は1980年以前よりも、それ以降の方が、全壊・半壊のリスクは下がります。さらに同じ鉄筋コンリート造でも、中層・高層マンションに採用されるラーメン構造に対して、低層に採用される壁式構造は壁量が多いために耐震性は高く、1980年以前の竣工でも過去の大地震でも大きな被害を受けたものはほとんどありません。その意味で、もし住み替えができるのであれば、木造よりRC造、中高層のラーメン構造よりも低層の壁式構造を選択すれば、耐火性も高いので震災リスクの大部分は免れることができます。暮らす地域としても、河川・海の沿岸部の緩い地盤より山の手の堅い地盤を選べば、さらに安心です。

(2)耐震補強

 日本建築防災協会の調べでは、木造住宅の耐震補強費用はおおむね100〜150万円とされています。表の予想損失額に比べても、その5〜10年分です。そう考えれば、すぐにでも耐震診断、耐震改修を行わない手はありません。自治体のよっては、こうした耐震工事への補助制度もあるそうなので、大地震の来る前に施すべきでしょう。マンションの耐震補強についても「Kantei eye」の調べ(平均32戸)によると、一戸当たりで診断費用は4.4〜17.4万円、補強費用は130〜434万円という額ですから、年予想損失額の約10年分、早々に管理組合で決議して実施した方が震災後に改修・建替えするよりずっとお得です。

(3)地震保険

 住み替え、耐震補強に比べれば、保険のよるリスク対応は、大地震で実際に被害も受けて、電気・ガス・水道の不通や避難所生活などによる苦痛は避けられません。しかし、その後の経済負担はかなり和らげられます。地震保険の保険料ですが、保険金額2,000万円に対して、東京の場合、木造は1年当り62,600円、非木造33,800円の保険料で、損壊、火災、さらに液状化などについておおよその損失額がカバーされています。建築年や耐震等級などの引もありますので、上表の予想損失額と見比べても、この地震保険がかなり有利なことが良く分かると思います。マンションを買ったときに加入する火災保険や地震保険は、実は専有部分にかかるので家財はともかく、肝心の構造駆体や設備配管などは保険対象にはなっていません。その意味では管理組合で早々に話し合い、耐震補強には至らなくても、こうした共用部に火災保険・地震保険をかけておくのがおすすめです。保険料も一戸あたり1万円ほど、洪水による浸水などにも対応していますから加入しない手はありません。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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