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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.36 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「住まいとリスク」
第1回 地震リスク

(株)アーキネット代表 織山 和久

はじめに

 東日本大地震によって被災されたお一人お一人が、それまでに築いてきた絆や財産を一瞬にして奪われた無念、喪失感。自分の親類も被災したのですが、そうした一生を思うと、胸が詰まります。また自分では大したことが出来ないと無力感に苛まされすらします。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
 現地ではすでに持てる力を生かして、たとえば建築家グループでは被災建物応急危険度判定に携わるなど動き始めています。こうした自力での復興を柱に、災害にも負けない心豊かな街や住まいができて、心地よいお暮らしがまた営まれることを願っています。
 そしてこの東日本大地震では、住まいに関しても津波による流出・浸水、地すべり、倒壊、火災、液状化、断水・停電、と大きな震災リスクが浮き彫りにされました。震災以外にも、住まいには、火災、老朽化、生活とのずれ、ローン返済難など、さまざまなリスクがあります。このような住まいのリスクについて、ひとつひとつ見直してみましょう。

人命リスクと震災

 東日本大地震では直接に被災しなかったものの、日本のどこでもこうした大地震に見舞われる可能性があります。東海地震は30年以内に87%の確率で発生すると予測され、東南海地震60%、南海地震も50%、と相当でこれらが連動するリスクもあります。また首都直下型地震も30年以内に70%の確率で発生すると報告されています*1
被害想定でも、東海地震・東南海地震・南海地震が連動すると、死者数24,700人、全壊940,200棟、経済的被害81兆円と甚大です*2
首都直下型地震でも、最悪で死者11,000人、全壊・焼失85万棟、経済被害112兆円とこれも尋常ではありません。
 けれども、こうした被害想定は、いわばマクロの視点でお上が防災対策を講じるための数値です。したがって住む場所も建て方もそれぞれの、自分たち一人ひとりのミクロの視点では参考になりません。おしなべてしまうと「都区部の人口が881万人だから、大地震で命を落とす確率は30年でもせいぜい、11,000人÷880万人×70%=0.0875%」とたかをくくられそうです。ランク図で火災危険度4と評価されても、ピンと来るはずもありません。
 そこでやはりミクロの視点で、立地や建て方に応じた住まいへの震災リスクを算出すべきなのだと考えます。

 まず首都直下型地震の被害想定の根拠*3から、こうしたミクロのリスク値を出してみました。人命と建物被害とは別次元なので、まずは人命リスクを10万人・年当りの死亡率に換算して数値を並べてみます。
 次に、こうした震災の人命リスクが実際にどれほどのリスクかを理解するために、疾病や事故によるリスク*4と比べて見ました。その結果が右図ですが、最悪なのが木造最密集地域で火災に巻き込まれるリスクです。
 主に環状七号線界隈になりますが、500mメッシュで焼失棟数/時間が1,200〜2,400棟の地区で、411人/10万人・年(中位値)にも及びます。その次が喫煙リスクで、362人/10万人・年です。さらにガン250人/10万人・年。なおガンについては、アメリカの疫学調査で7割が生活習慣によるという結果であり、心疾患、脳血管疾患などを合計すると、生活習慣病に由来する生命リスクは522人/10万人・年にもなります。そして老朽木造賃貸アパートが倒壊・圧死するリスクは、114人/10万人・年とこれら高リスク群の次に位置します。
 上のハイリスク群とは少し間がありますが、木造準密集地域(500mメッシュで焼失棟数が400〜1,200棟)で焼死するリスクは18人/10万人・年(中位値)、築年1981年以降の木造建物の倒壊で亡くなるのが17人/10万人・年。その下は、肝疾患13人/10万人・年、交通事故9.0人/10万人・年、そして築30年以上のRC造等の倒壊で6.2人/10万人・年という位置になります。
 リストのさらに下は、入浴中の水死2.6人/10万人・年、火事1.7人/10万人・年と事故リスクで、その下に住まい関連では築30年未満のRC造などの倒壊1.1人/10万人・年が登場します。落雷0.002人/10万人・年、といったリスク群が見受けられます。この辺りは見方によれば「車を控えるのが先決」「運が悪かった、と思える」というリスク水準になります。

住まいの人命リスクに備える

 以上のようにリスクテーブルをみてみれば、人命リスクに関する住まい選びについて解決方向が浮かび上がります。

(1)木造密集地域を避けよ

 禁煙やメタボ対策など将来の健康を考える方であれば、木造密集地域で暮らして火災に巻き込まれるリスクはとらないのが当然です。
一番わかりやすいのが、右の地図*5の濃赤、赤の地区には住まないという判断です。現在、居住していれば、他に早々に転居することです。親の代からのお店を続けたいので移転はできない、というのであれば、商店街一帯で耐火造に建替えるのがお薦めです。「都心から近いのに、土地付一戸建てでこの値段なら安い」とこうした木造密集地域で木造建売戸建てに手を出して、家族の命を高いリスクにさらすのは、考えものです。

(2)老朽建物を避けよ

 1981年の建築基準法改正で耐震基準が見直されました。リスクテーブルにあるように、それ以前に着工された建物は、木造はもちろんマンションなどのRC造でも交通事故に匹敵するほどの、倒壊・圧死リスクがあります。木造賃貸アパートにお暮らしならなおさらです。もちろん昔の建物でも関東大震災に負けなかった、と耐震性の高いものもありますが、専門の構造家でもなければなかなか判別ができません。もしこうした古い建物にお住まいならば、もっとも単純な解決は築30年未満の建物に転居することです。そしてそれが適わないのであれば、戸建てでもマンションでも耐震補強に投資することです。
 近年はリノベーションということで、中古の家やマンションを買って自分の好みの間取り・内装にする方法が話題になっていますが、築30年以上の建物で施すのには相当の人命リスクがあってお薦めできません。交通安全に気をつけている方であれば、老朽建物を避けるのは当然の判断になると思います。

(3)あとは割り切り

 このように木造密集地域と老朽建物を避けることで、首都直下型地震であれば、ほとんどの人命リスクを抑えることが出来ます。それ以上に、たとえば消防署の隣にしか住まない、史上最大の地震にもびくともしない建物にする、といった対策も考えられますが、普段はうるさい、暗いし、膨大なお金もかかる、となりがちです。リスクテーブルを眺めれば分かるように、震災リスクにそこまで配慮するよりも人命リスクであれば、快眠快食・適度な運動で生活習慣病を防ぐ、高齢になる前に車の運転を控える、といった方が先決でしょう。物的リスクなどは、次回以降、検討していきましょう。

*1 http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/tenpenchii/pdf/02shiryo_04.pdf
*2 http://www.bo-sai.co.jp/tounankainankai.htm
*3 中央防災会議 「首都直下型地震の被害想定(概要)」
*4 中谷内一也「リスクのモノサシ」(NHK出版)
*5 中央防災会議「事務局説明資料2-2」平成16年
筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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