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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.31 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「住まいの触り心地…五感を潤すコーポラティブハウス」

(株)アーキネット代表 織山 和久

手触りがいい、と選ばれたシャワーヘッド
手につかんだ感触のいい水洗金具

 コーポラティブハウスを発注されたお客様で、元々の計画案を気に入ったので、インフィル予算を200万円以内に抑えたいという方がいらっしゃいました。そのときの建築家からのアドバイスは「シャワーヘッドや水洗金具など、毎日触るものはいいのをいれましょう」ということ。そのアドバイスは私の中に強く印象に残っています。お客様も同様に感じられたようで、お住まいになられてから「このうちで一番気に入ったのは、キッチンの水洗金具の手触りかもね」というお話を伺いました。

 触覚は、意識していないときでも心地よさを大きく左右しています*1。表皮にあるケラチノサイトに刺激が加わると、免疫系を活性化させるサイトカインを合成します。さらに驚いたことに、アドレナリン、セロトニン、ドーパミン、メラトニンといった神経伝達物質の受容体が表皮に存在し、機能していることが解明されています。つまり皮膚の刺激は、脳を経由せずに皮膚のネットワークの中で、興奮・鎮静や快不快、躁鬱といった状態を引き起こしているわけです。スキンシップや針灸が有効なのも、この皮膚の情動機能に由来すると考えられています。
 意識に上る触覚の快・不快については、温冷感、硬軟感、粗滑感の三つの基本感覚で構成されています*2。これらの基本感覚は、身体と接触面との熱移動量、材料のたわみ剛性、摩擦係数といった数値で表現されます。例えば木質床材の足触りが好まれるのは、熱移動量が少なく、たわみが小さく、なめらか(だがすべりにくい)、という木質材料の特性を反映しています。またコンクリートは熱移動量が大きく、低温時では触ると体温から熱を奪って不快となりますが、沖縄のように室温が20度以上であれば快に感じられます*3。暖房がしっかりしていれば、コンクリート床・壁も快になるということでしょう。冒頭のシャワーヘッドもプラスチックを応用しているせいかひんやり感がなく、すべすべしてでもすべらない、という点で確かに心地よい触覚の条件を備えています。

踏み心地のいい無垢材の床。2cmほどの厚みもある

 わたしたちのコーポラティブハウスのインフィル事例でも、触覚を大事にした事例が数多く見られます。
 まずは足触り。床材には、なめらかな無垢の木材がよく採用されます。熱移動量が少なく、なめらかですべらない、という感触を大事にされているのでしょう。そして床材の厚みが2cm近いものも結構見受けられます。たわみ剛性があるからでしょう。一般的な分譲マンションでは床材の厚みはあまりなく浮き床なので、踏みしめるとちょっとペコペコした感触なのとは対照的です。

鉄平石と檜風呂。温泉のような見た目も魅力的ですが、触り心地の良さが特筆されます
洗面所には、木質材を用いて素肌に優しい場所に。

 手触りも重要です。握ったときに角が立たず、滑らかで手に馴染む感覚を、ということで、ドアノブや水洗金具など、フィリップ・スタルクのデザインした金具を全ての部分に取り入れられたお住まいもあります。「毎日、何度となく触る部分だけに、形も質感も心から気に入ったものを」ということで触り心地の良いモノたちに囲まれ、とても和やかな表情でお話をされていました。
 とりわけ裸で接するような場所、つまり浴室や洗面所を念入りに工夫されている例もあります。あるお宅では浴槽には檜風呂を使用。浴室の床材には、肌に優しく滑らかだけど不意に滑らない材料を、といろいろ探し歩いて見つけた鉄平石を敷きつめられていました。
 また、木質材料は床材として「足触り」だけでなく、ほかの部分の材料として「手触り」の部分でも活躍しています。つくりつけの家具をお気に入りのチーク材で統一して、棚にちょっと手を着く、扉を開く、というときの感触も良く無意識の心地よさがあります。

 マンションのモデルルームは、ややもすると見た目が優先されています。コストを抑えるために、表面だけに薄いスライス単板を貼り付けた木質材も多用されています。表面加工を工夫したユニットバスも普及しています。しかし、実際に暮らし始めると、床板のたわみ剛性が足りなかったり、浴室床のすべり具合も不自然に急に変化したり、と触覚からすると無意識に不快になるのではないでしょうか。住まいを居心地良くするためには、見た目だけでなくご自分の触覚を生かして材料を選ぶことが決定的に重要です。触覚が脳を経ずに直接に情動を左右するわけですから、本当は見た目よりも大事なのかもしれません。

*1 傳田光洋「皮膚は考える」岩波書店、2005
*2 岡島達雄・呉健丹・武田雄一「触覚による建築仕上げ材料の快・不快感の定量化」 1991
*3 岡島達雄「コンクリートの住宅―日本と沖縄」しまたていNo.26  2003
筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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