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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.101 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

リノベーションの課題(2)

アーキネット代表・横浜国立大学IAS客員教授 織山 和久

前回に引き続きコーポラティブハウスにお住いの方でリノベーションを経験された方々からでた本質的な問題点
 「築3-40年で管理費や長期修繕積立金もどれだけ上がるか分からない」
 「世代が上の人たちが多くて、話が合わない」
 「(開口部が限られ)こんなに風通しがよくて日が入ることはない」

の中から、今回は、「世代が上の人たちが多くて、話が合わない」・・入居者同士の関係と「(開口部が限られ)こんなに風通しが良くなくて陽が入ることはない」・・リノベーションの制約について調べてみた。


入居者同士の関係

「世代が上の人たちが多くて、話が合わない」
こうしたコミュニティに関するご見解とその意味を検討してみた。

 まず、マンション区分所有者の世帯主の年齢分布を、新築と既築とで比べてみた。新築の方は、40歳前の層がほぼ3分の2を占める1)。一方、既築の所有者は、当然のことながら60歳以上が2分の1を占めるように高齢者が主体になる。世代が上の人たちが多い。管理組合でも前から住んでいて年長の方々に意見するのは大変だろう。マンションの修繕や建て替えに再投資したり仮住まいに手間をかけたりするより、現状のまま暮らす意向も強まることは容易に想像できる。


もともと一般のマンション内の人間関係は希薄である。マンション内ですれ違う際に挨拶する人がたくさんいるのは51.7%になるが、顔を合わせると立ち話する人がたくさんいるのは4.8%、頼みごとができる人がたくさんいるのは1.6%とされる2)。こうした状態が普通なのに、さらに入居者の年齢層がお互いに異なると話が合うようになるのは難しいことであろう。
 現状維持の意向も強い上に、お互いのコミュニケーションが希薄なことは、建物の持続可能性に影響しかねない。実際に老朽マンションの建替えに関して合意形成を妨げた要因は、「高齢居住者や低所得者など個別の事情に配慮する必要があるが、難しかった」22.1%が最も多く、次が「建替え派と修繕・改修派とで意見が対立した」11.8%、といったことであった3)。普段から話しができて、頼みごともできるような関係が希薄だと、このように建替えの合意形成には不利になる。

 自分なら、年配の方とも屈託なく話せる、リーダーシップを発揮して上の世代の方々と円滑に合意形成できる、というのなら別だが、そうでなければ古いマンションでは気まずい関係になりがちであろう。


1)株式会社リクルート住まいカンパニー「2016年首都圏新築マンション契約者動向調査」2017年3月
2)株式会社リクルート住まいカンパニー「2016年マンション管理とコミュニティについての調査」2016年8月
3)社団法人 全国市街地再開発協会「マンションの建替え等の検討状況に関するアンケート集計結果 報告書」平成20年11月

リノベーションの制約

「(開口部が限られ)こんなに風通しがよくて日が入ることはない」
この点については、建築家の方々にご見解を伺ってみた。

 いくら有能は建築家にお願いしても、後からではどうしようもない制約条件がある。通常のマンションでは分譲会社は、南向きで部屋数が多い(3LDK より4LDK)プランが売りやすいと信じて計画する。その結果として、各住戸の南側に開口部を持ってきて、北側の廊下に対して短冊状に並べ、各戸の中央に廊下を通して東西に部屋を振り分ける形式が大勢を占める。しかしこのプランニングは、建築家に話を伺うと、かなりリノベーションにも制約を与える。
 第一が開口部、窓の位置や大きさである。角住戸でなければ、開口部は主に南にしかとれない。北側は外廊下に向いているので、開放はしにくい。したがって窓を開け放って、部屋を風が抜ける状態は望めない。夏でも風通しが良ければ、体感温度で7~9℃の下がる効果があるのだが、これを適えることは難しい。また南向き一辺倒だと、直射日光が眩しいので、日中もずっとカーテンを下すことになる。多方面から間接光も含めて光が当たることで、表情やモノも立体的に見えて映えるものだが、その視覚効果も望めない。




分譲マンションの一般的な配置図。全戸南向きにして短冊状に並べる




分譲マンションの一般的な間取り図。南面開口、北側玄関から中心軸に廊下


第二が、柱と梁の存在である。おおむね5階以上の建物になると、壁式構造は採用されず、柱梁で建物荷重を支えるラーメン構造になる。この柱や梁が室内に出てくると、視覚を遮って圧迫感がある。リノベで間仕切りをとっぱらってのびのびとした空間に!と思っても、真ん中や枠に梁や柱があるとそうはなりにくい。作り付けの収納や本棚と面を揃えるなどの工夫もあるが、元から柱や梁がなければもっと設計の自由度は高い。




分譲マンションの一般的な内観。柱、梁が露出して、空間の自由度を制限する


第三には、配管の位置である。法律で居室と認められるためには、採光上有効な開口部を備えなければならない(そうでないと納戸扱いになって、〇LDKの〇に加算されない)。そのため北側の外廊下、南側に面して部屋を配置すると、キッチン、トイレ、浴室は住戸の中ほどに置くことになる。上の階も下の階も同様なので、全体の計画で各住戸の中ほどを共有の配管を通すことが合理的になる。この配管の位置は、当たり前のことだがリノベーションで動かすことはできない。キッチン、トイレ、浴室は、住戸全体の南北を分断する位置から変更できず、したがって出来ることは見栄えや仕様を良くするぐらいになってしまう。

一般的なマンションでは、柱・梁が露出し、開口部や水回りの位置に制約がある。後で後悔しないように、リノベーションするにしてもこうした制約が自分たちの暮らし方を妨げはしないか、よく確認してから取得することが望ましい。



筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「東京いい街、いい家に住もう」(NTT出版)、「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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