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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.8 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「常識に惑わされないシニア向けの住まい、4つの新条件」

(ア) 朝日を浴びる
(イ) 気安く街に出られる
(ウ) 自然に運動負荷がかかる
(エ) 自立して暮らす
(株)アーキネット代表 織山 和久

(ア)朝日を浴びる

 日本では5人に1人、特に高齢者*1になると男性29.3%、女性60.2%と多くの人が眠れない悩みを訴えています。老化とともに深い眠りが少なくなり、夜中に目を覚ます、朝早くから目が覚める、という傾向が強く現れます。そして中高年ほど、むずむず脚症候群(脚を中心に虫が這い回るように不快感)や周期性四肢運動(寝ている間に足がピクピク動く)も併発しやすく、夜中に暴れて大声を出すという譫妄状態にも至ります。眠れないことを気にして、さらに不眠が悪化する例も少なくありません。不眠は糖尿病や心疾患のリスクを上げ、男性は鬱病との関連も指摘されています。
 対策として睡眠薬を服用*2することになりますが、その率は65歳以上で22%(全体では10%)にも及びます。しかし睡眠薬に頼りすぎると、代謝も悪いので翌朝まで薬の影響が残り、転倒・骨折も生じやすくなります。睡眠薬を嫌って寝酒に頼る人も2割もいますが、寝入りは良いものの途中で目が覚めてしまいます。徐々に酒の効き目も薄れるので、酒量が増えてアルコール依存症に陥りやすくなります。

 高齢者の睡眠障害の根本の原因は、生体リズムが弱まることが指摘されています。つまり加齢とともに体内時計の機能が低下し、睡眠・覚醒リズムの深浅、昼夜の体温リズムの変動、メラトニン(睡眠を誘導する脳内伝達物質)の分泌ともに、昼夜の振幅がはっきりしなくなります。弱まっているリズムをさらに狂わすのが、長時間のお昼寝です。よく眠れないと訴えながらも、ある老人福祉施設の調査*3では実際には一日9-9.5時間、内訳は夜6時間、昼3-3.5時間寝ていました。つまり一日の睡眠時間は十分なのですが、昼夜の睡眠リズムが乱れているために、寝つきの悪さ、夜中の目覚め、朝早すぎる目覚め、昼間のうとうとになっています。リズムをさらに弱めるのが運動不足です。退職などで昼間の運動量が減ると、昼間の体内温度が上がりません。体温の振幅が少ないために睡眠時の体内温度もあまり下がらず、眠りも深くならないことが分かっています。
 したがって、高齢者の安眠を考えるには、体内時計のリズムを取り戻す工夫を取り込む必要があります。分子生物学で睡眠の仕組みについて研究を進めた結果、良く眠る条件とは、朝の光を浴びて体内時計をリセットすることだと分かりました。それは、朝の光が目に入ると、安らかな気持ちにする脳内伝達物質「セロトニン」が放出され、それを原料に眠気を誘う脳内伝達物質「メラトニン」が目覚めの14時間後に合成される、という仕組みです。さらに昼夜の体内温度の差が大きいほど、夜、眠りやすくなることも分かっています。そのためには日中よく動く、特に眠る2~3時間前までに体温を上げておくことが効果的です。睡眠環境では夜は真っ暗にして、布団の中は温度33±1度、湿度50%と安定していることが理想です。従ってシニアの寝場所の条件としても

?寝室には東向きに窓があり、目覚めから朝日をたっぷり浴びることができる。中庭やルーフテラスなど、天気がいいときは朝からゆったり過ごせる場所があるとなお良い

?縁側、勝手口や中庭など、部屋から気軽に外に出られるつくりである。日中は、お昼寝もそこそこに気分よく外に出て、庭仕事や散歩、買い物などの運動ができる

?地下階のように、夜は真っ暗になり、静かで室内気候も安定している

 といったことが挙げられます。

 コーポラティブハウスは、もともと住まいの中にいろいろ性格の異なる場所(明るくおおらかな場所、静かで落ち着いた場所、てきぱき動ける場所、ぼーっと過ごせる場所など)をつくり、住まわれる方々が日々の暮らしのリズムに合わせて間取りを考える方式です。また採光も南からとれればよしとは思わず、時間とともにいろいろな方向から光が入ることを大事にしています。エアコンを前提とせずに風通しを大切に考え、どの場所も二方向以上の開口部を持つように工夫をしています。したがって朝日が入り夜は静穏といった、ぐっすり眠れる場所も、このプランの中に見出すことができるでしょう。一方、通常のマンションプランでは、寝室が北側廊下に面して朝日が入らず、夜中は靴音や通路照明が気になる、とあまり安眠向きとは言えません。高層マンションに住むと、エレベーターの待ち時間もかかるし散歩道も遠いので、出不精にもなって運動不足も心配です。

(イ)気安く街に出られる

 外出は長生きの元です。よく外出するような高齢男性では10年後の死亡率22%、そうでない群の死亡率37%の約半分です(「小金井市70歳老人の総合健康調査」(財)東京都老人総合研究所)。訪れたい場所がある、会う友人がいる、といった生活の質が高いこととが外出の有無は表裏一体です。そして自立していた在宅高齢者(65~84歳)の30ヵ月後を調査すると、男性14.4%、女性26.0%が閉じこもりに陥っています*5。そして外出頻度による要介護の発生率は、毎日1回以上で10%、2-3日に1回程度で12%、週に1回程度で26%、ほとんど外出しないが47%、と外出が少ないとその後の生活の自立度を失わせていることが分かります*6。若者の「引きこもり」が社会問題とされていますが、高齢者では「閉じこもり」が寿命や生活の質にも大きく関わる問題です。しかしながら、70歳以上では、男女とも一日のテレビの視聴時間は5時間30分以上、と目覚めている時間の3分の1近くをテレビの前で過ごしているのが現状です。外出の用事が病院通いだけ、というのは寂しいものです。
 定年退職してからも、日常的に外出するような用事とは何でしょうか。中野区の調査によると、60歳以上の方の商店街頻度は、ほぼ毎日が41.6%、週に3~4回が21.1%、週に1~2回で21.9%になります*7。通院以外ではまず買い物です。次に高齢者が一年の間に取り組んだスポーツ種目を調べると*8、60〜69歳 ウォーキング54.6%、体操22.0%、ゴルフ10.8%、軽い水泳8.9%、軽い球技8.1%。70歳以上では、ウォーキング41.7%、体操16.6%、ゲートボール・グラウンドゴルフ7.8%、ゴルフ6.7%、釣り4.6%。半数近くの方が健康のためにも歩こう、と意識されている様子が伺えます。

 このように考えると、老後の閉じこもりを防いでずっと健康的に暮らすには

?買い揃えができる賑やかな商店街が、のんびり歩いていける距離にある

?散歩に楽しい道がそばに続いている。車の多い道でなく、緑道や路地、雑踏、坂道といった散歩道がつながっている

 といった住まいの立地条件も大切です。周囲から孤立した郊外マンションでは、買い物は車でショッピングセンターまで、散歩しようにも車が多く人通りも少ない、と閉じこもりを招きかねません。その点、コーポラティブハウスは街中に計画しますので、歳をとってからでも何かと外出する機会には恵まれているでしょう。前述のように、窓から季節や天候の移り変わりを感じる、玄関先や庭先から履物をつっかけて散歩に出られる、といったように外出しやすい開放的な住まいであることも重ねて重要です。

(ウ)自然に運動負荷がかかる

 「危ないから2階に上がらない方がいいのでは?」と周りが心配すると、オシム氏は「転ぶ時は平らな所でも転ぶ」と答えました。脳梗塞で倒れ、施設でのリハビリトレーニングを終えて自宅に戻るときのやりとりです。そして階段に手すりをつけるなど、2階に行き来しやすいように改造したそうです。
 実際、都内の高齢者が救急車で搬送された事故*9のうち、7割が平らな所での転倒が原因で、階段からの転落は1割弱です。転ぶ原因は、歩行能力が衰えて、足先が上がらず歩幅が乱れるためです。段差の有無ではありません。したがって高齢者でも一定期間、歩行トレーニングを受けると、転倒率は何もしない群の54.5%に対し、受けた群では13.6%、と4分の1にも下がります。高齢女性の骨粗鬆症の発症率がアメリカより日本で少なく、その要因を探って国際比較したところ、遺伝や栄養状態などが原因ではありませんでした。差異が出たのは毎朝毎夕の運動、つまり日本の高齢女性は毎日二回布団の上げ下ろしをすることで、全身の骨格や筋肉を維持していることが分かりました。
 そう考えると、やみくもなバリアフリーは転倒防止になるどころか、日常の歩行訓練の機会を奪ってまさに「本末転倒」です。布団の上げ下ろしが効果的ならば、階段の上り下りも日常的に足腰が鍛えられてかえって安全かもしれません。転倒骨折を防ぐためには、腕立て伏せを繰り返し、転倒時に手で支えられるようにするのが本当です。したがって住まいの条件としては

?階段があっても構わない。それより住まいの中を動くと、眺めや気分も変わって楽しいプランになっている

 ということになります。コーポラティブハウスでは住まいの中にいろいろ性格の異なる場所を用意し、お互いのつなぎも工夫しています。そして躯体もしっかりしていますから、将来、介護が必要になるときには、後で天井にフックをかけたり、レイアウトを変更するのも難しくありません。

(エ)自立して暮らす

 秋田県合川町の高齢者2,000人を調査したところ、167人とかなりの高率でうつ病の傾向が見られました。そしてうつ病傾向の人は、町の中心部から外れた山あいの小さな集落、田んぼの中の一軒家など、民家がまばらな地域に多いことが分かりました。意外なことに、家族と同居しているお年寄りのほうが、一人暮らしの人よりも、うつ病の傾向が強く現れました。
 街暮らし・ひとり暮らしの方が、周囲の方もひとりだからといろいろ気を使ってくれて、かえって疎外感がなくなるようです。一方、街外れで子供世帯と同居していると、家事や農作業にしても「僕たちがやるからいいよ」という家族の気遣いが、逆に「自分の役割はもうないのか」と高齢者を落ち込ませています。そして看護や介護で迷惑をかけていると自分自身を責め、周りに話し相手もいない、といううちにうつ病になってしまうと考えられています。
 自殺者数は年間3万人以上と社会問題になっていますが、実はその4割以上は高齢者です。そしてその8割がうつ病を患っていたと深刻です。高齢者の自殺のうち、単身生活は全体の5%以下というのは驚く結果かもしれませんが、同居老人の心情を思うと切実です。また特別養護老人ホームに入所して周りに友人・知人がいなくなると、自分が認められないせいか、いっぺんに痴呆症も進行します。
 重い話から始めましたが、結局、「自分のことは自分でできる」「周りが自分のことを気付いてくれる」「周りも自分を認めてくれる」というのが健全に生きていく上でどれだけ基本的なのかを痛感します。住まいづくりの観点としも

?二世帯住宅や老人ホームはいらない。住み慣れたわが家、わが町で自立して過ごすのが基本で、周りの人々も自然に気配を察して気遣いできるような開放的なつくりが望ましい

 となります。コーポラティブハウスは、計画段階から隣り合って暮らす人々が話し合い、入居したあとも気の置けない間柄になりやすい方式です。高齢になって何かあったときにでも、お隣が頼りになるというのは心強いものでしょう。また建築としても、共有通路からガラス越しに漏れる明かりから無事を感じ、何かあると表で気軽に話ができるつくりなのも特長です。防犯対策からでしょうか、ドア一枚で中の様子が分からなくなるマンション、厳重な塀で要塞のように守られた邸宅では、こうはいきません。

 シニア向けの住まいというと、とかくバリアフリー、防犯対策、二世帯同居、老人ホームと思い勝ちです。でも生活の質からすると、足腰を弱らせる、周りとの関わりを損なう、自立する力を失い落ち込ませる、自分の存在意義を見失いぼける、と考えものです。最新の研究成果を踏まえて、シニア向けの住まいについて?から?までの新しい条件を導いてみました。特にシニア向けに、と考えたわけではないのですが、コーポラティブハウスは実はこうしたシニア向けの新しい条件には結構適っています。居心地の良い住まいは、年齢を問わないのかもしれません。

*1 「地域高齢者における主観的睡眠障害と健康生活習慣および精神的健康度に関する研究」結城美智子・河原加代子 2003
*2 「不眠の疫学」内村直尚・小鳥居湛 2000
*3 “Sleep Patterns and Mortality among Elderly Patients in a Geriatric Hospital” K. Manabe, T. Matsui, M. Yamaya, T. Sato-Nakagawa, N. Okamura, H. Arai, H. Sasaki 2000
*4 「加齢に伴う睡眠・覚醒リズム障害 アルツハイマー型老年痴呆および多発梗塞型痴呆のリズム障害特性」三島和夫 1994
*5 「生活機能の自立した高齢者における閉じこもり発生の予測因子」渡辺美鈴、渡辺丈眞、松浦尊磨、樋口由美、渋谷孝裕、臼田寛、河野公一 2007
*6 「自立生活の在宅高齢者の閉じこもりによる要介護の発生状況について」渡辺美鈴、渡辺丈眞、松浦尊呂、河村圭子、河野公一 2005
*7 「区内商店街に対する高齢者の消費者ニーズ調査」中野区 2005
*8 「体力・スポーツに関する世論調査」内閣府大臣官房政府広報室 2006
*9 「家庭内における不慮の救急事故」東京消防庁 平成13年
筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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